- 「ダイエットしたいと思っていますが、お酒をやめられなくて・・・。」
- 「お酒止めないとやっぱりダイエットできないですか?」
私は管理栄養士として働いていますが、上記のようなお酒についての質問を多く受けます。
確かに結論から言うとお酒を飲むことで太りやすくなるというのは事実です。
ですが、飲み方に配慮すれば太ることなくお酒を楽しむことができますので、その理由についてご紹介していきますね。
ダイエット成功したいけどお酒も楽しみたい!という方に向けて、お酒とうまく付き合っていく方法をご紹介していきます。
Contents
お酒を飲むと痩せない理由は
お酒(アルコール)を飲むと、肝臓でアルコールを分解するというのはご存じだと思います。
しかし、お酒を摂った場合、私たちの肝臓はアルコールの分解を優先してしまうために、食事で摂った栄養は後回しになるということが起きてしまいます。
これは、人の体は体にとって悪い物、不要なものは先に分解するという働きがあるので、食事で摂った栄養が後回しになり、脂肪が蓄積してしまうということになります。
例えば、このような食事を摂りながらお酒を飲んだとしましょう。
【夕ご飯500kcal】
- 鶏の照り焼き ・・・300kcal
- 枝豆 ・・・100kcal
- サラダ ・・・40kcal
- みそ汁 ・・・40kcal
この夕ご飯500kcalの食事に加え、ビール500mlを3缶飲んだとすると
- ビール500ml 3缶 ・・・約500kcal
食事とビールのカロリーで1,000kcalも摂っていることになるんです!
ダイエット中の女性の場合、夕食のカロリーはおおよそ500~600kcal・男性の場合600~700kcal程が望ましいですが、アルコールを摂りすぎるとこれを優に超えてしまいます。
お酒により後回しになった脂肪は蓄積され、結果中々痩せないということが起こってきます。
また、お酒を飲んだら後は寝るだけという方が多いと思いますので、脂肪が消費されずどんどん溜まってしまうということが起きてしまうのです。
糖質が多いお酒を選んでいるから
お酒を飲むと太る理由の一つに太りやすいお酒を飲んでいるということもあります。
「お酒の種類を変えたら痩せた」
ということを聞いたことはないでしょうか?
お酒の種類でもダイエットに良いものかそうでないものがあります。
数年前から糖質制限ダイエットが流行っていますが、糖質の摂りすぎは太るということは聞いたことがあると思います。
お酒も同じことで糖質の多いお酒は太りやすいというのは事実です。
糖質を多く含んでいるお酒は一般的に「醸造酒」と言われ、
- ビール
- 発泡酒
- 日本酒
- ワイン
- 梅酒
などがあります。
糖質をあまり含んでいないお酒で太りにくいのは、「蒸留酒」と言われ
- ウイスキー
- 焼酎
- ウォッカ
- ブランデー
になります。
では、醸造酒と蒸留酒のカロリーと糖質量と比べて見てみましょう。
【醸造酒のカロリーと糖質量】
カロリー | 糖質 | |
ビール(350ml) | 142kcal | 4.9g |
日本酒(180ml/1合) | 196kcal | 6.5g |
赤ワイン(100ml/グラス1杯) | 75kcal | 1.5g |
梅酒(80ml/グラス1杯) | 125kcal | 17.2g |
【蒸留酒のカロリーと糖質量】
カロリー | 糖質 | |
ウイスキー(100ml) | 237kcal | 0g |
焼酎(100ml) | 146kcal | 0g |
ウォッカ(100ml) | 229kcal | 0g |
ブランデー(100ml) | 225kcal | 0g |
お酒はアルコール度数が高いほどカロリーも高くなりますので、蒸留酒のカロリーのほうが高くなりますが、アルコール度数が高い為、飲む量を抑えればダイエット中でも太りにくいと言えます。
また、アルコールは意外にも高カロリーなのですが、栄養素を含んでいません。
お酒は「エンプティカロリー(空っぽのカロリー)」であるという言葉を聞いたことはないでしょうか?
これは、アルコールを飲むと人の体ではエネルギーとして分解されやすく溜まりにくい性質があります。
お酒を飲むと体が熱くなるのは、飲んだアルコールが肝臓で代謝されエネルギーとして燃えるので、体の中で吸収されず太りにくいと言われています。
ただ、飲みすぎるとカロリー多加になるので注意してくださいね。
そして、注目していただきたいのは、蒸留酒の糖質が100ml程ではどれも「ゼロ」であるということ。
糖質を含まないアルコールは血糖値の急激な上昇を抑えることができ、糖質を含むアルコールに比べ体脂肪が合成されにくいといったメリットがあります。
太りにくいお酒を選ぶ
お酒の好みもあると思いますが、ダイエットしているのであれば、ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ブランデー等の「蒸留酒」を摂ることをオススメします。
ただ気を付けていただきたいのは、焼酎やウイスキーなどは糖質が少ないからといっても割るものが甘いジュース類だとジュースに含まれる糖質を摂ることになってしまいますので、水か無糖の炭酸水、もしくはロックで飲むといいですね。
お酒を飲んで太るのはつまみで太っているから
お酒を摂ることによって食欲を増進させる働きがあるのはご存じですよね。
お酒は太りやすいものですが、それ以外にも食欲を増進させる働きがあるので、おつまみの摂りすぎで太ってしまっている可能性があります。
お酒のおつまみとして人気なのが唐揚げ、焼きそば、ピザ、フライドポテトなどがありますが、高カロリーで糖質も多く含まれているんですよね。
アルコールを飲むことで、いつも以上に脂質の吸収が良くなっている為、脂っこいおつまみを摂ると体重がさらに増えていくということに繋がります。
だからと言って「お酒を飲むときはおつまみを摂らない」という方法をすると、空腹時のお酒は悪酔いの原因や胃の粘膜にダメージを与えてしまう場合があります。
さらに肝臓に負担がかかり、肝臓の病気になりやすくなってしまうというリスクもあるので気を付けてくださいね。
太りにくいつまみを選ぶ
ダイエット中であれば、お酒を飲むときのおつまみは、高タンパク質、低カロリー、低脂肪のものを選ぶようにしましょう。
脂肪の合成を高めないためには、おつまみは極力少量でカロリーが低いものを摂ることが重要ですね。
下記のような料理を摂ると太りにくくなりますよ。
- 魚介系 ・・・刺身、カルパッチョなど
- 低脂肪の肉類 ・・・サラダチキン、ローストビーフなど
- 豆類 ・・・冷奴、枝豆など
- 野菜類 ・・・サラダ、漬物など
- 乾物 ・・・するめ、エイヒレなど
- キノコ類・海藻類 ・・・マリネなど
お酒の量が多く毎日飲んでいる
栄養指導をしていると、お酒が好きで毎日飲んでいるという方もいらっしゃいます。
- 「ビール2、3缶飲んだ後に焼酎や日本酒を3合以上飲んでいる」
- 「途中から酔いが回り何杯飲んでいるか分からない」
など・・・。
やはりお酒の量や頻度が多いとダイエットに成功できない方が多いですね。
また、ダイエットやカロリーの問題もありますが、飲みすぎは肝臓の病気や生活習慣病になりやすいという要因がありますので、摂りすぎないように調整することが大事になります。
お酒をたくさん飲む人は肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝にもなりやすくなります。
お酒の量や頻度を減らす工夫
特に女性の場合、アルコール代謝をしてくれる肝臓の大きさが男性に比べ小さく、解毒能力も低い為、たくさん飲んだ日の翌日は飲まないというルールを作るのがオススメです。
お酒の飲むと肝臓や胃や腸の粘膜も荒れているので、休肝日を作り臓器を休ませることも大事ですね。
お酒の頻度を減らす方法は、休肝日の曜日を決めて他の予定を入れたり、自分の趣味に没頭するなどもいいですね。
今まで栄養指導してきて、アルコールの1回量を減らすより休肝日を作るほうが成功しやすい方が多いので、まずは週1回休肝日をつくるやり方も効果的です。
また、アルコール量に関しては、厚生労働省が推進している国民健康づくり運動「健康日本21」によると「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコールで約20g程度であるとされています。
これはアルコールの種類でいえば下記になります。
【純アルコール20gに相当するお酒の種類】
- ビール 1缶(500ml)
- 日本酒 1合(180ml)
- ウイスキー ダブル1杯(60ml)
- 焼酎 グラス1/2杯(100ml)
- ワイン 2杯(200ml)
- チューハイ 1缶(350ml)
お酒は飲む分だけ冷蔵庫で冷やしたり、今飲んでいるお酒の容器を小さいものにするといった工夫をしてみるといいと思います。
お酒を飲んでも太らなくなる方法まとめ
お酒を飲むと太りやすくなる理由についてご紹介しました。
- お酒を飲むと、肝臓はアルコールの分解を優先してしまうため食事で摂った栄養は後回しになり結果脂肪が蓄積される
- 糖質を含んでいないお酒を選ぶ
→「蒸留酒」である、ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ブランデーなど
- 低カロリー・低脂肪のおつまみを選ぶ
→刺身、サラダチキン、ローストビーフ、枝豆、サラダ、漬物、するめ、エイヒレ、キノコ類・海藻類の料理など
- お酒の頻度や量を減らす
ダイエットしたいけどお酒が好きな方にとってお酒を飲まないというのはかなり過酷なことかもしれないですよね。
ダイエット中でもお酒を楽しみたいという場合はぜひ参考にしてみてくださいね。